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第3章 市町村地震被害想定システムの機能

 

被害想定システムは主な機能として3つを有している。1つは被害想定計算機能、1つは地区属性表示機能(被害想定結果を含む)、1つは地区データ集計機能の3つである。これら以外の諸機能も含めて、3章では被害想定システムの機能の検討をおこなう。

 

3.1 被害想定計算機能

 

被害想定結果の導出過程は、以下の3つの段階に分けられる。即ち、

 

?震源設定(震源パラメータの設定)

 

?地震動計算(2次ポリゴン別の地表面加速度と震度の算定)

 

?被害想定計算(2次ポリゴン別の被害想定結果の算定)

 

である。ここではこの3つの段階に沿って機能の解説をおこなう。

 

3.1.1 震源設定

 

本システムの震源設定では3つの情報を与えている。位置(2次元平面上での線・点)と深さ(km)、規模(マグニチュード)である。
位置は、2次元平面上の地震の入力であり、点震源と線震源のいずれかを選択できる。点震源と線震源が地震動の算定上で生じる違いは、二次ポリゴンと震源の最短距離を求めるときに、点震源は震源となる1点から各2次ポリゴンまでの距離を求めているが、線震源は震源となる線上から各2次ポリゴンまでの最短距離を震源までの距離と定義する点である。また、線震源上では発生する地震波が等しいと定義しており、同規模の地震ならば線震源の方が点震源よりも影響範囲が広いことがわかる。

 

活断層は長さから発生する地震の規模が決定するが、本システムで線震源を入力した場合には、点震源と同様に地震の規模は別個に入力する。従って、線震源の長さから地震の規模が一意に決まるものではない。

 

 

 

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